奄美よーりよーりラン。
2026年2月1日 am6:00スタート。スタート位置はゼッケンの番号で決まっていて、私の出発時刻は6:08でした。
日の出前の闇の中、空気には霧雨の湿気がありました。気温12℃。ヘッドライトを点けて、足元を照らしながらの出発です。最初は音楽を流さず、周囲の声、自分の足音、風の気配だけを耳に入れる時間にしました。50kmの長丁場ですから、ペースは1km=9分の設定。長距離を完走に導く生命線です。
9kmまでの走行ログ
| 区間 | タイム | 状況 |
|---|---|---|
| 1km | 8分55秒 | スタート直後の混雑 |
| 2km | 8分52秒 | 登り坂 |
| 3km | 8分31秒 | 下り坂 |
| 4km | 8分49秒 | |
| 5km | 8分47秒 | |
| 6km | 8分34秒 | カッコつけた区間 |
| 7km | 8分39秒 | カッコつけ終わり |
| 8km | 8分49秒 | |
| 9km | 9分59秒 | 第1給水所 |
設定どおりに見えるタイム表ですが、序盤に登り坂を抱えて8分52秒を出した点を考えれば、頑張ったほうのタイムです。下り坂では脚にスピードが乗りました。ここまでは合格点と判断しました。
カッコつけた反省点
問題は6kmから7km地点で起きました。
2人のランナーに追いつきました。闇の中、「おはようございます。頑張りましょう。」と挨拶を交わし、追い抜くために、同じペースで進むよりは距離を空けようと判断してペースを上げました。
そこから、ペースを上げた状態が続きました。軽快に、颯爽と進む姿を見せようとする心が動いてしまった結果です。長距離経験から学んだ「自分のペースを守る原則」を、目の前の体裁に売り渡してしまいました。
幸いなことに給水所までの距離が短く、給水という区切りでペースを戻すことができました。1km=9分を自分の歩き方として決めた事実を、自分の身体に思い出させました。
ここまでは反省点です。
それでも価値はあった
ただ、初めての50km大会で、序盤に張り切ってしまう気持ちが出る、それ自体は人間らしい反応です。挨拶を交わした相手に格好いい姿を見せたい、その素直な感情も、長距離の出発点として悪いものではありません。楽しんでいる証拠でもあります。
振り返れる思い出が一つ生まれた、価値ある9kmでした。「カッコつけた反省」という名前のついた経験が、次の大会、次の50km、次の人生の局面で、自分にブレーキをかけてくれます。
失敗を残す価値とは、そういうことだと思います。
50kmという距離は、自分の心と身体の声を聞き続ける時間でもあります。序盤の9kmで自分の弱点を一つ見つけられた事実は、残り41kmを歩き切る上で、財産となりました。
次回は第94話「中盤の充実」です。

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