1km=6分までくるとランナーですね。 10kmを60分。
自宅から10km離れた場所はどんな場所で、何がありますか? いつもと違う景色ですよね。
10kmという距離は、車で20〜30分かかるくらいの距離感です。それを自分の足で60分で行ける。これは大きな自由を手に入れたということ。電車もバスもいらない、自分の脚だけで日常生活圏を超えていける。1km=6分は、そういう「移動手段としての走り」の入り口でもあります。
ホームグラウンドで1km=6分を試してみても良いかもしれません。 心拍数が160を超えてきます。 呼吸が荒くなります。
ただし、無理は禁物です。
1点、知っておいてほしいことがあります。
走り出した最初の6〜10分は、心拍数が急激に上がり、苦しさを感じます。 10分を過ぎると、心拍数が安定して呼吸も落ち着いてきます。 最初は苦しくなりやすい。これは知識として持っておいてください。
これは「セカンドウインド」と呼ばれる現象に近いものです。体が運動モードに切り替わるまでに10分前後かかる。最初の苦しさで「今日はダメだ」と諦めてしまう人が多いのですが、実はそこを過ぎれば体は走るリズムに乗ってきます。最初の10分を「準備時間」だと割り切れる人ほど、長く走れます。
最初のペースを1km=7〜8分にすると、心拍数は140程度。 10分経過した頃に1km=6分へシフトすれば、心拍数は160を超えますが、急激な上昇ではないのでスムーズに走り続けられます。
階段を1段ずつ上がるイメージです。いきなり1km=6分で走り始めると、心臓も肺も追いつかず、体がパニックになります。少し緩めから入って、体が温まってからギアを上げる。この「段階的シフト」が、結果的に長く速く走れる秘訣です。
「自分の歩き方研究所」では、これ以上の速度は扱いません。 走る研究は別の領域です。 ご自分の走れる範囲で楽しみましょう。
ちなみに、1km=6分でフルマラソンを走ると、時速10km。タイムは4時間13分11秒。休憩・給水を含めて4時間30分でゴールできますね。
数字で見ると遠く感じるかもしれませんが、歩きの研究を積み重ねた先には、こうした「ランニングの世界」が地続きで広がっています。歩けるから走れる。走れるから、また歩きの大切さに戻ってこられる。歩きと走りは行き来しながら深まっていくものです。
次は第37話「1km=15分の歩行(時速4km)」です。

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