前回は「膝は安定させたい関節」とお伝えしました。 対して、股関節と足首は「動かす関節」です。
伝えたいことは、一つ。 **「体全体で歩く」**ということです。
膝だけに頼らない。 一部だけで頑張らない。 役割を分けて、チームで歩くイメージです。
• 膝:正面に向け、安定させる • 股関節:動きの起点にする • 足首:地面との接地を調整する
股関節は、脚を前に運ぶ最初のスイッチです。ここがしっかり動くと、歩幅は無理なく伸びます。足首は、地面との接点を細かく調整する役目です。柔らかく動く足首は、衝撃を逃がし、次の一歩への切り返しをスムーズにしてくれます。可動域がある関節がしっかり仕事をしてくれると、安定の役目を持つ膝が必要以上に頑張らなくて済みます。
さらに、 • お腹に力を入れる(体幹) • 上半身と下半身を連動させる
こうした動きが、一つにつながっていきます。
体幹は、股関節・膝・足首の連動を支える土台です。お腹に力が入っていないと、せっかく股関節から動き出しても、上半身が遅れてついてくる形になり、歩きが分断されてしまいます。体幹がしっかりしていると、上半身と下半身が同じリズムで進める状態になります。
最初から全部やろうとしなくて大丈夫です。 「つながってきた感覚」があれば、それで十分。
「つながってきた」というのは、力みではなく、流れる感覚に近いものです。一歩ごとにブツッと止まる歩きから、波のように続く歩きへ。その小さな変化に気づければ、十分前進しています。
では、ここまでの意識を持って、1kmの測定をしてみましょう。
頭で考えるより、実際に歩くことで答えが見えてきます。
体は、言葉で覚えるより、動きの中で覚えていきます。歩いてみて、何かが変だと感じたら、立ち止まって少し意識を整え、また歩く。その繰り返しが、一番の練習になります。
歩く。考える。また歩く。 この繰り返しで、技術は体に染み込んでいきます。
最初は意識しないと出来なかった動きが、ある日ふと、考えなくても出来ている。そうなったら、それは体が覚えたサインです。
自分の歩き方が変わり始めるサインかもしれません。
無理に変えようとしなくても、意識を続けているうちに、自然と歩き方は更新されていきます。焦らず、自分のペースで進めれば大丈夫です。一週間後、一ヶ月後の自分の歩き方が、今日の意識の積み重ねの上に立っています。
次は、第28話「お腹の力は抜けなくなりましたか?」です。

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