最初に、言葉の整理です。
足:足首から先(つま先)。地面に接する部分。 脚:太ももの付け根から下全体。
では、股関節とはどこか。 脚の付け根。胴体と脚をつなぐ関節です。
骨盤の左右にあるくぼみに、太ももの骨の頭がはまり込む構造になっていて、前後・左右・回旋と、複数の方向に動かせる関節です。歩くという動作の出発点になる場所、と捉えると分かりやすいかもしれません。
歩くとき、 腿の前の筋肉で脚を上げていませんか?
もちろん間違いではありません。 ただ、回数が増えると負担が集中します。
腿の前ばかりを使う歩き方は、長時間続けると膝周りに張りが出やすくなります。1km、3km、10kmと距離が伸びるほど、その負担の差は大きくなっていきます。
そこで思い出してください。 第19話の「ツイスト」です。 上半身と下半身を連動させる。
そこに、もう一つ加えます。 股関節から動かす。
ポイントはシンプルです。 お腹に力を入れる。 その状態で、 股関節から脚を前に出すイメージ。
そこにツイストが加わり、 結果として腿や膝下も自然に動きます。
順番のイメージはこうです。 お腹 → 股関節 → 脚全体
脚の下から動かすのではなく、 中心から動かす感覚です。
最初に膝が前に出る歩き方ではなく、股関節がスッと前に出て、その後ろから腿、膝、足がついてくる。そんなイメージで歩くと、上半身と下半身がひとつにまとまった動きになります。
難しく感じるかもしれませんが、 実は普段から無意識にやっている動きです。 「知らなかった」だけです。
意識を向けるだけで、同じ動きでも質が変わります。新しい筋肉を鍛えるのではなく、もともと持っている動きを呼び戻す感覚です。
まずは短い距離で試しましょう。 100mで十分です。
短い距離なら、フォームに集中しやすくなります。100m歩いて止まり、もう一度意識して100m。これを数本繰り返すだけで、感覚はつかみやすくなります。歩道の白線一本、電柱と電柱の間、そんな目印で十分です。
30分歩くときも、 一部の筋肉に頼りすぎないこと。 全身を使うことで、 足と脚の負担は減っていきます。
股関節を味方につける。 これが、生涯歩くための大きなポイントです。
股関節は、年齢とともに動きが固くなりやすい場所でもあります。日常的に意識して動かしておくと、可動域が保たれ、歩幅もキープしやすくなります。
まずは知る。 そして動かしてみる。 習うより、慣れましょう。
次は第25話「ふくらはぎを大切に!」です。

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