第90話 当日の食事

2月1日、午前4時。アラームが鳴る前に、自然と目が覚めました。いよいよレース当日です。

部屋でおにぎりを1個。胃腸に負担をかけたくないので、量はあえて控えめに。スタートまでまだ2時間あるので、ここで一気に詰め込む必要はありません。少しずつ、波を作らずにエネルギーを入れていくイメージです。

5時に部屋を出て、大会ルール説明を聞きに行きました。会場の空気はピリッと張りつめていて、参加者それぞれが自分の戦い方を最終確認している様子。私も気を引き締めます。

5時30分、もう1個おにぎりを口に入れました。スタート30分前の最終補給です。固形物は走り出してから時間が経つと胃に重く感じやすいので、このタイミングで入れておくのがちょうど良い。

そして、いよいよ6時スタート。

まだ日の出前、あたりは暗いままです。気温は12℃。霧雨がうっすらと肌に冷たい。けれど、動き出してしまえば気にならない程度。道路に水たまりはできておらず、むしろ走るには良い路面状態でした。雨に味方された、というのが正直な感想です。

スタートはゼッケン順に50名ずつ、1分ずらしてのウェーブスタート。私の組は6時8分でした。

1組目がスタートする瞬間、沿道から自然と声が出ました。「がんばれ〜!」「いってらっしゃ〜い!」無意識でした。緊張と興奮が混ざり合い、応援することで自分の気持ちも一段上がっていく。不思議な一体感がそこにありました。

そして、いよいよ私のスタート。

レースの中身についてはここでは書きません。今回のテーマは「当日の食事」です。

1箇所目の給水所まで8km。ここで水を200cc。

この大会は、各自がコップを持ち歩いて給水するスタイルです。紙コップが出ないのでゴミが減り、スタッフの方の負担も軽くなり、街も汚れない。とても良い仕組みだと思います。こういう運営に出会うと、走らせてもらえること自体がありがたく感じられます。

2箇所目は第1チェックポイント、あやまる岬。リストバンドで通過タイムが記録されます。ここでは水100cc、豚汁ミニ、塩むすび1個。

塩むすびはゴルフボールサイズ。これがとても良い。一口で食べきれて、胃腸への負担が少ない。「ちょうど補給できる量」を考え抜いた配慮が見えます。さすが。

豚汁の選択は予定どおりでした。事前にAIと組み立てたシミュレーションで「ここでの塩分は豚汁から摂る。水分はスポーツドリンクではなく水で」と決めていたので、プラン通りに動けたことに小さく満足。

出発前にトイレも済ませて、再スタート。

3箇所目の給水所は須野ダム。スポーツドリンクを200cc。

須野ダムは一周するコースになっていて、給水はダムに入る前でも、出ていくときでもどちらでもOK。2回取っても良い、というのが嬉しい配慮。私は出ていくタイミングで一度だけ取りました。気温は18℃まで上がってきていて、汗もかいてきたので、ここから先はスポーツドリンクで電解質も意識的に入れていきます。

4箇所目は笠利崎、夢をかなえるカメ。バナナ一切れと、スポーツドリンクを200cc。

テーブルには美味しそうなクリームパンや塩バターパンも並んでいたのですが、疲れが出はじめていて、口に入れる気になれませんでした。「食べたい」と感じないものを無理に押し込まない。これも大事な判断だと思っています。胃腸が嫌がるサインを見逃すと、後半が一気に苦しくなる。

ここから次の赤木名まーぐん市場まで、給水所はありません。

途中、佐仁海岸へ向かう登り坂の途中に第2チェックポイント。給水は無く、リストバンドのタッチのみ。坂を登りながら次の補給までの距離を頭の中で計算します。

まーぐん市場までは15km(26km〜41km地点)。時間は11時、12時と気温が上がっていく時間帯です。ここを乗り切るために、持ち歩いている水と栄養ドリンクをこまめに口に運びました。

私の給水・補給のルールはひとつ。「疲れる前に、喉が渇く前に、お腹が空く前に」。体がエネルギー不足を感じてから動いたのでは、もう遅い。常に先手先手で。しかも胃腸に負担をかけない、ひと口ふた口の量で。これだけは徹底しました。

5箇所目は第3チェックポイント、まーぐん市場。リストバンドで通過タイムを記録。ここではスープと水を200cc。温かいスープが体の芯にじんわり広がっていきます。

6箇所目は最終給水所、打田原海岸。タイムとの兼ね合いで、ここはスルー。ノンストップで通過しました。残り距離と自分の状態を照らし合わせて、「もう摂らなくて大丈夫」と判断できたのも、ここまでの先手先手の積み重ねがあったからこそだと思います。

そして、ゴール。

道中、間食としてラムネを少しずつ口に入れていました。ブドウ糖はじわじわ効いてくれるので、ポケットに常備しておくと安心です。

結果として、パワー不足を感じることもなく、脱水感もありませんでした。天候が曇りで、気温が18℃以上に上がらなかったことも、大きく味方してくれました。

当日はこまめに、先手先手で栄養補給・水分補給ができた一日でした。事前のシミュレーションと、現場での判断。その両方がうまくかみ合った手応えがあります。

次回、第91話は「競技中の食事、給水」です。


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この記事を書いた人

歩き方研究員

49歳。
歩き方を研究して5年。
2026年
奄美ヨーリヨーリラン
53.47km完歩。

歩き方は才能ではありません。
研究すると必ず変わります。

このブログは
「自分の歩き方を研究する方法」を
100話で発信してます。

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