大会に参加する時の目的は何?という話です。
初めて参加する大会と、2回目の大会と、5回目の大会では、それぞれ目的が違いますよね。 慣れている場所であっても、回を重ねるごとに自分の中の基準は変わっていきます。 逆に、初めて行く場所での大会でも、同じ種目ならその場合も目的は変わりますよね。 コースの起伏、気候、地元の雰囲気。情報が無い状態だと、まずは「知る事」が目的になります。
タイムを求めていますか? 完走を求めていますか? それとも、その土地の空気を味わう事を求めていますか?
奄美よーりよーりランに初めて参加。そして初めての50km走。という事で、完走を目標にしました。 50kmという距離が自分にとって未知数だったので、まずは「歩き切る」事を最優先にしたのです。
どうやったら50kmを歩き切れるかな。
その中で、タイム条件が1つありました。制限時間です。
朝6:00スタート、制限時間14:30。 8時間30分がリミットです。 休憩や給水、トイレなど、その他諸々の時間として30分を見積もり、50kmを正味8時間で歩く計算にしました。 1kmを9分×50km、イコール450分。つまり7時間30分です。 これに予備として30分を足すと8時間。 制限時間8時間30分ですから、猶予は更に30分。 この計算でチャレンジしました。
「よーりよーり」とは奄美地方の方言で「ゆっくりゆっくり」という意味です。 大会名そのものが「焦らないで」と参加者に語りかけてくれているような、優しい大会です。 この名前を初めて聞いた時に、自分の目的と方向が合っているなと感じました。 タイムを縮める為の大会ではなく、自分のペースで50kmを味わう為の大会。 これなら完走を目的にしても浮かない。
タイムを縮める事が目的の人、完走が目的の人、参加する事自体が目的の人。 人それぞれ、目的があっていい。誰かと比べる必要は無いですね。
私は完走を目的としました。その中で、どうせなら時間いっぱい使ってゴールした方が、大会を楽しめるのでは無いか。とも考えました。でもそれは優先順位が高い目的では無いですね。 あくまでメインの目的は「完走」。サブとして「時間を味わう」。 こうやって目的に順位をつけておくと、本番で迷った時の判断軸になります。
おかげで完走する為の計画に、100%振り切る事が出来ました。
リタイヤしても良いから、タイムを縮めたい時は、そうなる為の方法を考えます。 スタートから飛ばす、ペースを上げる、給水ポイントの取捨選択。 目的が変われば、計画も全く別物になりますね。 逆に、目的が曖昧なままだと、計画も中途半端になる。 途中で「やっぱりタイム狙おうかな」と気持ちがブレた瞬間に、完走の確率も下がる気がします。
別話ですが、格闘家の人はどうなんだろうと考える事があります。 勝つ事が目的なのか、KOして勝つ事が目的なのか、あわよくばKOして勝つ事が目的なのか、判定で勝つ事が目的なのか。 本番でアドレナリンが出て、冷静な判断が難しい時こそ、KO勝ちを狙ってしまいそう。 計画通りにはいかない事もありそうですね。 だからこそ、試合前に自分の中で目的の優先順位を、はっきり言葉にしておく事が大事なのかもしれません。
目的を一つに絞ると、計画が立つ。 計画が立つと、迷いが消える。 迷いが消えると、本番で自分を信じられる。
50kmの道のりは、走り出す前にもう半分始まっている。 そう感じた大会でした。
次は第89話「前日の食事」です。

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