自分の歩き方研究で、もっとも数値化しやすい指標が「速度」です。1km何分で歩くか。時速何km出ているか。年齢が上がっても、毎日測れて、伸びも衰えも数字で見える。これが速度の良さです。ここでは、基本となる2話と、1km=15分から1km=6分まで、8段階の速度帯を1本にまとめます。
【速度を知る基本】
第2話「まずは『速度』を知る」。手ぶら・ジャージ・運動靴で、フォームを意識せずに「ありのまま」で1km歩いてみる。今の自分の数字を知ることが、すべての出発点です。基準として「1km=9分なら時速6.67km、50km=7時間30分」「1km=10分なら時速6km、50km=8時間20分」を頭に入れておきます。
第21話「足の重心は前4:後6」。ストライドはピッチ優先のうえで「重心バランス」で考えます。歩幅を狙うのではなく、1歩を10分割した時の前4:後6を意識する。早歩き+前傾+お腹に力+腕振り+ツイスト。要素が集合すると、時速6.5km(1km=約9分15秒)付近で歩きと走りが混ざり始め、ここで「前4:後6」が一番体感しやすくなります。
【日常〜大会の速度帯】
第37話「1km=15分の歩行(時速4km)」。標準速度であり、健康の維持ライン。信号の青時間は時速4kmを基準に設計されているため、これより遅くなると渡りきれないリスクが出ます。買い物・散歩のペースですが、背筋を伸ばす、足の裏全体で着地する、この2点だけは手放さない。日常の速度こそ、歩き方の土台になります。
第30話「1km=10分の歩行」。完走のリミット速度です。50km×10分=500分=8時間20分。奄美ヨーリヨーリラン50kmの制限時間8時間30分まで、残り10分しか余裕がない計算。後半の失速、トイレ、補給を考えると、ここを下回ると完走は厳しい。日常では「徒歩15分」の表示を10分で歩けるかが、自分の体力を測る簡単な指標になります。
第31話「1km=11分の歩行」。50km本番で11分台が出たのはたった1回。第2エイドで水分とバナナを取った、補給込みの1kmでした。「ややゆっくり」「足を止めた時間を含む」記録として残り、次の挑戦のバッファ計算に効きます。会話しながら、空を見上げながら歩ける速度でもあり、誰かと一緒に楽しむペースとして価値があります。
第32話「1km=12分の歩行」。本番で12分台は2回。15km地点(豚汁+トイレ込み・地のペース8分30秒)と、41km地点(休憩のみ・地のペース9分30秒)。同じ12分でも、内訳は別物でした。「計画的に取る12分」と「必要に迫られて取る12分」の違いを、データが教えてくれます。
第33話「1km=9分の歩行」。本番53kmのうち、最多の24回が9分台。25kmまで8分台で抑え、26km以降は意図的に9分台へシフト。「貯金を作る」ではなく「無理しない前提で計算する」設計です。8ヶ月のトレーニングは、最初の3ヶ月で距離を伸ばし、中盤3ヶ月で距離+スピード、最後の2ヶ月は「1km=9分を体に染み込ませる」だけに絞り込みました。スマートウォッチを見なくても9分で歩ける状態が、本番の安心感に直結します。
【加速ゾーン】
第34話「1km=8分台の歩行&ジョグ」。本番で22回出た記録。練習で抑え、本番で出す。それでも5km地点で女性2名を追い抜くときカッコつけて走った反省も残しました。8分台は歩きと走りの中間。8分45秒は中間、8分00秒はジョギングです。
第35話「1km=7分のジョグ」。歩いては出せない速度。時速8.57km。両足が一瞬地面を離れる「走る」動作の領域です。心拍140拍/分の有酸素の王道ゾーンで、15kmが目安。1km=6分なら10kmが限界、7分なら15km、わずか1分で走れる距離が1.5倍に変わります。気持ち良い時こそケガに注意。5分ジョグ+5分歩きを交互に入れ、距離を少しずつ伸ばします。
第36話「1km=6分のラン」。10kmを60分、心拍160超。最初の6〜10分は心拍が急上昇するので、7〜8分から入って10分後に6分へシフトすると安定します。研究所では、これ以上の速度は扱いません。
速度は、自分の体の説明書です。基準を知り、目的に応じて使い分ける。日常では時速4km、完走を狙うなら9〜10分/km、加速ゾーンを楽しむなら7〜8分/km。同じ脚で、同じ呼吸で、目的に合わせて切り替えられる人ほど、長く健康に歩き続けられます。これが速度研究の答えです。

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