第82話 戦う精神を呼び戻す

大人になって、大会に出場する事はありませんでした。高校3年生が大会と呼べる最後でした。あの頃は当たり前のように持っていた「勝ちたい」「負けたくない」という気持ち。試合前夜の緊張感、スタート直前の心拍数の高まり、そういった感覚が、気づけば遠い記憶の中にしまい込まれていました。

大会2ヶ月前。いざ、本気って出なかった。頭では「本番だ」とわかっていても、体と心がついてこない。長い間、競争から離れていたせいか、あの戦う感覚がどこかへ消えてしまっていました。これはまずいと思いました。技術や体力だけではなく、精神面も鍛え直さなければいけない。2ヶ月間で感性を研ぎ澄ませよう。やるぞという気持ち、負けないぞという気持ちを出せる様に練習しました。

まず取り組んだのが、ランニングです。30分のランニングを全力で行なう。60分のランニングを全力で行なう。距離や時間よりも、「全力を出し切る」という感覚そのものを体に染み込ませる事が目的でした。短い時間でいいから、負けないぞという気持ちを持つ練習。苦しくなってから諦めない、その一瞬一瞬の積み重ねが、戦う精神を少しずつ呼び覚ましていきました。

そして、食欲との向き合い方も変えました。この頃は運動量が多く、月間200km以上の歩行をしていましたから、エネルギーが切れる前に入れておく様にしていました。つまり空腹時間は無く、トレーニングに入り、トレーニング後は空腹感がある程度でした。補給のタイミングを体が自然に覚えていったのです。

そこで、集中力を高める時は、食事も減らして、感覚を研ぎ澄ませようとしました。少し敏感になるくらい。空腹が研ぎ澄ます感覚というものが確かにあって、適度な空腹状態の中でトレーニングをすると、集中力と意識の鋭さが違いました。食べる事も、戦略のひとつでした。

そして、30kmチャレンジに照準を合わせて、ホームグラウンドとは違う、本番の大会と同じ環境で戦いました。本番で、怪我の時以外は「もういいや」という決断をしない自分を作りました。そもそも大会にエントリーした事も、8ヶ月トレーニングした事も、自分の歩き方を研究して戦略を立てた事も、生活習慣を変えて挑んでいる事も、この大会のためなんだと、頭と心に刻み込む作業。一つひとつの積み重ねに意味があったと、自分に言い聞かせ続けました。

練習以上は出せないが、練習した事は出せる。私はこの考え方です。どれだけ本番で気合を入れようとしても、練習していない事は出てこない。逆に言えば、練習してきた事は必ず出せる。だから、戦う精神を呼び戻す事も、練習しておく必要がありました。何度も何度もやってみる。最初はぎこちなく、空回りするような感覚もありましたが、少しずつ出来る様になってきた感覚がありました。あの頃の自分が戻ってくるような、確かな手応えでした。

次は第83話「2週間禁酒」です。


Apple Watch Ultra 3(GPS + Cellularモデル)- 49mmブラックチタニウムケースとブラックオーシャンバンド

[ナイキ] エア ウィンフロー 11 AIR WINFLO 11 ゴースト/ブルーボイド/パープル FJ9509-006 27.0cm
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

歩き方研究員

49歳。
歩き方を研究して5年。
2026年
奄美ヨーリヨーリラン
53.47km完歩。

歩き方は才能ではありません。
研究すると必ず変わります。

このブログは
「自分の歩き方を研究する方法」を
100話で発信してます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次